2016年4月1日・2日にオランダのダンスカンパニー「Nederlands Dans Theater」(NDT)が「SWITCH 2016」というチャリティーイベントを開催します。
日本から観に行くというのは現実的ではありませんので、あくまでどんな目的で何が行われるのかをご紹介したいと思います。
このイベントは毎年1回、NDTが開催するチャリティイベントで、収益は世界の子供たちの教育や医療のサポートに寄付されます。
SWITCHではNDTのダンサーたちが、企画・振付・当日の運営まですべてを行います。普段はカンパニー内外の秀逸な振付家たちの作品を踊るダンサーたちが、一転、コレオグラファー(振付家)として作品を作り、それをNDTのダンサーたちが踊る。なんとも面白くて魅力あふれるイベントです。
Behind the Scenes: Switch 16
なぜ、ダンスカンパニーがこのようなチャリティーイベントを実施するのか?
もちろん、国家や自治体から支援を受けていることに対する恩返しという意味合いはあると思いますが、それだけでこれほどユニークで活気があり、クオリティの高いイベントができるとは到底思えません。多くのエネルギーと時間を費やすことですから。
舞台をつくることや踊ることが観る人に感動を与え、その感動が何らかのムーブメントにつながる。おそらくは、それが彼らにとって当たり前であり、日常的な感覚なのでしょう。
そして、この中から将来、振付家としても活躍する人物が出る可能性もあり、それは新たな芸術やビジネスを生むかもしれません。ダンサーたちにとっては単なる形式的な取り組みではなく、真剣に取り組む価値があるのです。
このような芸術を支える構造が長い年月をかけてヨーロッパではつくられてきました。舞踊という芸術が国民の生活や文化に身近な存在であり、日常の中にあるという現実はおそらく私たち日本人には想像できないものでしょう。とてもうらやましく感じます。
SWITCHの歴史や趣旨が詳しく語られています。英語が得意な方はこちらもどうぞ。